ええと、例によって今晩は徹夜覚悟で授業準備。ブログで遊んでいる場合ではない。
が。
そもそもこういう授業が出来なくなるかも、な状態を目前にしては、心も荒れよう揺らごうってもの。とりあえず何をしたらいいのかわからないので、今日のところ、もしかして誰かが見てくれたりして~、な期待をちょこっとだけこめつつ、情報だけ提示。
というかね、問題はこれだけじゃない。いっぱいいっぱいありすぎるくらいなのだが、とりあえずその指摘については
こちらのブログがお勧め。で、今日は直接的な、あまりに直接的な、フェミ事項一点のみ。
自民党の憲法改正プロジェクトチームの論点整理案より。
##婚姻・家族における両性平等の規定(現憲法24条)は、家族や共同体の価値を重視する観点から見直すべきである。
一応、ここでは、「婚姻・家族における」となっていて、たとえば参政権などの公的権利の話にはなっていないだけに、一層やばめな雰囲気。つい「それもいいわね」と言っちゃいそうな人がいそうな雰囲気。
もちろん、あきらかに、「それもいい」わけがない。家族や共同体の価値ってのがこの場合何を指すのか不明だが(多分最後まであちらは絶対に言わず、法案が通ればあとは好きに使おうというわけなんだろうが)、そもそもたとえば婚姻において細かいことをどう平等にするのかっていう話を憲法でやるのかという問題はおいておくとして、原理原則論として、私生活で両性の平等が制限される可能性があるというのは、ほんっと~に怖いんですけれど。具体的にこれは何が念頭にあるんだ?結婚における男女別姓?それならいっそ同姓規定を民法でも何でもいいから、通してください。同性で婚姻が認められるかどうかで大揺れっていう国も(それに振り回されちゃうLGBTソサエティーも含めて)どうかと思うけれども、なんていうのか、その100万歩前の状態でしょ、これは。
婚姻については、じゃあ結婚なんてしないからい~もん!という女性が増える、という(実際にはありえなさそうな)オプティミスティックな結果を想定することが仮にできるとしても、「家族」についてはそうもいかないでしょう。たとえば極端な話、「男の子だけが遺産相続」という規定だの、「家族内の女性のみに育児、あるいは介護の義務」という規定だのも、憲法違反じゃなくなるわけで。あるいは、女性が男性を扶養家族にすることは出来ない(あるいはそうできないという社内規定を憲法に照らして訴えることができなくなる)とか、そういうことにもなりえる。ものすごいインパクトがあると思うのだが。
それにしてはなんだかどこの政党もとりわけ問題にしている風でもなく。9条一本やりな演説ばかりが聞こえてくる。9条は9条で超特大争点なのはわかるんだけれども、それは他がどうでも良いというわけではないはず。
ちなみに、この「(案)」には、「公共の責務」の見出しで、以下のような記述も。
##家族を扶助する義務を設けるべきである。また、国家の責務として家族を保護する規定を設けるべきである。
「家族」っていうのがこの場合何を指すのか、またしても全く不明。
ひとり暮らしでも、それはそれで「家族」、同性でも「家族」、短期的でも「家族」、血縁関係がなくてももちろん「家族」というのであれば、まあ「家族の保護」というのはあっても良いの「かも知れない」んだけれども(でも「保護」って一体何をしようというのか?という部分で、実はとても懐疑的だけれど)、それじゃ実際問題として国家がどういう「保護」をするにしても「家族」を追いかけきれなくなるのは必至だから、そういうことは考えていないはず。
とにかく、まずいですわよ、これは。
ま・さ・か、こんなわけのわからないものが通るとも思えないんだけれども、それを言ったら、ま・さ・か、こんなわけのわからんものを出してくるという予想も出来なかった。常識的に考えてそれは正義にもとる、どころか、経済的に非効率、政治的に自殺行為、などなど、の行為ですら、ばんばん実施されてしまう今日このごろ。油断はできませんと思うのです。
ていうかこんなのが妙な形で通っちゃったら、フェミ教えることそれ自体が「憲法違反」にされかねない。やってらんね~よ。やさぐれ。